持たざる者が時間を武器に金持ちになる

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<真なるハイリスク・ハイリターン>S&P500を3倍レバレッジで運用できるETF。その名もSPXL。安全とは何か、長期投資とは何か今一度考えるべき<覚悟を持て>

どうも、僕です。

 

最近米国株の話があんまりされなくなってきた気がする。よって僕がする。

  

 

 

 

 

 前置き

僕のポートフォリオは楽天VTIという将来がほぼ約束された投資信託によって100%占められている。言うなればリスクを限りなくゼロに近づけたうえでリターンをそれなりに取る最良の方法を取っているのだ。

 

VTIやS&P500はバイ&ホールドに最適で素晴らしいものだ。だがこう考えたことはないだろうか。

 

 

 

 

「もう少しリターン欲しいな」

 

 

 

 

 

そんな人にひとつ美味しい話を持ってきた。

 

 

ただし相応の覚悟は必要だ

 

 

絶対に目を逸らしてはいけない。美味い話には裏がある。だが、この話は無闇に美味いというよりも至極当然な理論の元に成り立っている。なにより成功した時、そのリターンは莫大なものになる。きっと聞く価値はある話だ。

 

『真のハイリスク・ハイリターン』を体現する米国株ETF。その名もSPXL。このETFがリターンを求めるあなたの要望に応えてくれるかもしれない。では、書いていく。

 

 

インデックス投資家の最強の相棒

冒頭で言ったように、インデックス投資家にとって最良なのはS&P500指数連動のETFであろう。バンガードのVOOだったりブラックロックのIVV、果てはスパイダーのSPYもある。

 

知らない人のために一応説明するが、これらは全て『信託報酬激安』で『値は長期的に見れば創設以来ずっと右肩上がり』で長期保有にマストなETFだ。どれを買おうか、なんて悩んでいる段階でその投資家の将来のリターンは約束されている。

 

同じようにVTIも長期保有に足るETFだ。性能が同じなのになぜ話に出したかというと僕が投資しているから。S&P500もVTIも最近は投資信託と言う形でも気軽に投資できるからおすすめ。

 

 

VTIとVOOはほとんど同じ動きをする

僕がさんざん推している楽天VTIの元になる本家VTI(水色)。それとVOO(紫色)の比較だ。

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https://finance.yahoo.com/chart/VTI

 

やはりほとんど同じ動きをしている。方や米国上場企業の中から選ばれし500の精鋭をそろえたVOO。方や米国上場企業のすべてを網羅した VTI。そのどちらもが優秀なパフォーマンスを発揮していることはもはや疑いようもない。そしてこれからも続くだろう。

 

一方でリターンをよく見てみると少し物足りなくもある(よくばりさんめ)。そこでこやつの出番だ。

 

 

 

SPXLというぶっ壊れ性能のETF 

そのS&P500に連動するVOOとほぼ同じ成績のVTI。このVTIとVTIとSPXLのチャートを比較してみる。

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https://finance.yahoo.com/chart/VTI

 

 

SPXLが異次元のリターンを叩き出している

 

 

その伸びは一時1,000%に達した。2009年からたった9年保有していただけで資産が10倍である。盤石の上げを見せてきたVTIがまるで債権ETFのように平坦な動きをしているように錯覚するほどその伸びはすさまじい。

 

ではなぜこんなに差が付いたか。理由は単純。

 

 

レバレッジをかけていたから

 

 

である。レバレッジをかけるということは信用取引をするということだ。

 

分かりやすく言えば、『S&P500を普通に買うよりリターンが何倍にもなる』ように買うETFということ。そしてレバレッジをかけた相手がイケイケな米国経済だったことでそのリターンはさらに大きくなった。

 

ここが美味しい部分。美味しい話には裏がある訳で、ではこれがもし『年々値段が下がっていくETF』を『レバレッジをかけて買う』とどうなるだろうか。

 

 

めっちゃ損する

 

 

カラクリが見えてきただろうか。要するに『うまくいけばS&P500より早く金持ち』になるが、『失敗したらS&P500より早く損をする』ということ。これは短期トレードを行うならリスクがかなり高いことを示す。

 

そして利益も損も単純に『かけたレバレッジ分変動する』かというとそうではない。

 

 

レバレッジ3倍なら『儲けが3倍、損も3倍』・・・・・・ではない

勘違いしてしまいそうだが『3倍レバレッジ』だから『儲けは3倍、損も3倍』かというとそうではない。厳密に言えばSPXLは『S&P500の動きを毎日3倍にして動く』ものであるからだ。

 

つまり

 

 

  • S&P500が毎日1%ずつ30日間連続で下落した

 

 

として、SPXLは単純にその3倍のマイナスにはならないということ。これは計算してみないとイメージがわかないだろう。

 

では計算をしてみる。

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30日間に及ぶ下落相場におけるS&P500とSPXLの動きの比較

 

  • S&P500:およそ26%の下落(誤解している人がいるが『毎日1%ずつ落ちる』のを30日間続けても30%下落とはならない)
  • SPXL :およそ60%の下落

 

 

やはり単純に3倍とはならない。ちなみにもしS&P500が1日で30%下落したらSPXLは1日で90%下落する。キーワードは『毎日の動きが3倍』だ。

 

 

さて、思ったよりは下がらないがやはりS&P500と比べると派手に下がるのがSPXLであると再認識できた。では次はSPXLについてもう少し掘り下げていこう。

 

 

改めてSPXLとは

<企業概要>

ディレクション・デイリーS&P500ブル3Xシェアーズは、米国籍の ETF(上場投資信託)。S&P500種指数(「大型株指数」)の運用実績(手数料・費用控除前)の3倍(300%)の日次投資成果を目指す。

 

僕の大好きなブルームバーグより引用。しっかりと『S&P500の3倍の日次投資成果』と書いてある。

 

そして先ほどの図でボラティリティが大きいのは分かってもらえたと思う。

 

次に気になるのは経費率。これは間に挟まる作業が多いほど高くなるのは知っているだろう。よって3倍レバレッジをかけるためにSPXLの経費率は当然VOO等よりは高い。詳しくは以下のデータを参照。

 

 

ブルームバーグでトータルリターンと経費率を確認

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https://www.bloomberg.co.jp/quote/SPXL:US

 

  • 経費率:0.95%
  • 3年トータルリターン:24.52%

 


少し延ばして5年というスパンでもトータルリターンは23.73%。経費率が1%近くだったとしても驚異的なリターンを誇る。

 

だが最初に行ったようにレバレッジをかけているということは、利益が出やすいと同時に損も出やすい。これまでの5年間においては『米国経済はうまくいっていた』が、これからもそうだとは言えない。

 

そして米国経済は徐々に暗雲が立ち込めている。まだ上がるかも、すぐ反転するかも、なんて根拠の無い希望的観測は身を滅ぼす。気を付けよう。

 

 

 

今後の米国市場について悲観的な意見が多い

今後の米国市場については悲観的な意見が多いのが事実。これは目を逸らしてはいけない。

 

 

  • バンガード創始者のボーグル氏の「今後10年の米国市場はこれまでよりリターンを低く見積もった方がいい」発言
  • ジム・クレイマー氏の「米国市場は弱気相場に入った」発言

 

 

これだけ実力も知名度もある人がそういうのならば(ジム・クレイマーはちょっとアレだが)、個人投資家もそれに追随する可能性は高い。投資家の心理は市場にダイレクトに影響する。

 

よって今から米国株式投資をする人は中々損益が大きくプラスになることはないかもしれない。それは10年という長期に及ぶかもしれない。そうなれば、レバレッジをかけている場合損がどれだけ膨らむだろうか。

 

SPXLを買ったが最後、一度もプラスになることがないまま10年間含み損を抱えることだってあるかもしれない。

 

これは脅しではない。レバレッジをかけるとはこういうことだ。S&P500ですら暴落時にはしっかりと値を落とす。それに3倍ものレバレッジをかければどうなるかは絶対に認識していなくてはならない。

 

だがネガティブになるとキリがない。最近米国株の話を皆がしなくなったのも確実にこのネガティブな世論のせいだろう。だから僕はこう唱える。

 

 

 

ピンチはチャンス

ボーグル氏はこうも言っている。『インデックス投資家に贈る7つの言葉』にて

 

  • その1 『投資をしなくてはならない』

最も大きなリスクは短期的な値動きではない。積み立てることによる十分なリターンを得られないリスクだ。

 

  • その7 『市場に居続けろ』

市場に何が起ころうと決めた投資方針に執着しなくてはならない。投資方針を誤ったタイミングで変えることは最も壊滅的ミスにつながる。

 

特にこの二つが重要だ。仮に10年という期間において米国市場が弱気相場だったとしても、優良ETFに投資をすることは止めてはいけない。価格が下がっている時こそ積み立てることで、いずれ来る上昇相場にてリターンを得ることが出来る。

 

 

「下がったら買い」

 

 

僕はこの理論をしばしば強調するが、バンガード創始者のボーグル氏的にもっと細かく言うと

 

 

「下がっても上がっても常に買え」

 

 

だろう。どんな状況でも相場に居続けること。それを象徴するこの理論はシンプルだが最強だ。そしてこれはレバレッジETFであるSPXLにも当てはまる。

 

ちなみにボーグル氏の7つの言葉については以下の記事から独力で翻訳したため、原文が気になる人はリンク先をチェックだ。

www.etf.com

 

この話を聞いて「SPXLちょっと買ってもいいかな」と思った人の中には、既にVOOやVTIなどをバイ&ホールドしている人がいるだろう。

 

そして今VOOやVTIに投資をしている人はきっと20年、30年後のリターンを信じているからこそ決断したのだろう。ちょっと話がそれるが、そういう人だからこそ考えなくてはならないことがある。

 

 

 

『絶対に上がる』と信じているなら、なぜレバレッジをかけないのか

僕も含めてインデックス投資家は口を揃えてこう言う。 

 

 

「いずれ絶対上がる」

 

「短期的な下落は長期的にみればむしろリターンを増やすいい機会」

 

「S&P500にリスクは存在しない。あるのはボラティリティーだけ」

 

 

これは僕も正しいと思う。だが、そう言うならばS&P500にレバレッジをかけてもそれはリスクではないはずだ。正しいはずだ。

 

 

 

だって絶対に上がるんだから

 

 

 

SPXLが1950年から存在したと仮定するシミュレーションでは、最大97%もの下落を経験することになったという。先ほどの計算も含めてSPXLの長期保有には大幅な含み損というリスクが存在する。

 

ここまで書くと僕がSPXLが駄目だと言っているように聞こえるだろう。だがそうじゃない。『S&P500にレバレッジをかけている』SPXLは魅力あるETFだ。

 

だってゼロにはなってないんだから。SPXLはちゃんと戻ってきた。

 

97%もの下落は、だが本当のリスクじゃないのだ。むしろ『SPXLは例えリーマンショックという大暴落に見舞われたとしても、いつかそれを乗り越える』という心強いデータなのだ。

 

SPXLは下落を経験しても、値を戻すどころか時間をかければ以前より大きく伸ばしてきた。それはSPXLがバイ&ホールドに適していることを示す。

 

 

 

S&P500と同じように

 

 

 

レバレッジをかけることで増すのはボラティリティーだけだ。結局戻ってくるのならリスクではない。

 

本質的に両者は同じだ。ただ見かけ上動きが派手になっただけ。

 

もしSPXLを危険だと判断するのなら、S&P500だって危険なはずだ。一時的な下げ幅が違うだけで『どちらも長期的に保有したら絶対に上がるはず』という共通の要素が判断材料なのだから。

 

 

 

S&P500は投資初心者を慢心に陥れる 

「言っても30%の下落と90%の下落だったら後者の方が嫌じゃん?」

 

 

その通り。投資家は人間である。下げ幅が大きいのは嫌に決まっている。だが注目すべきはそこではない。

 

思うに、僕を含め最近長期投資をしようと入場してきた人の多くは、長期投資のことをなんとなく軽く見ているのではないか。

 

 

「30%くらい耐えられるよ。だっていつか上がるんでしょ?」

 

 

本当にそうか? 90%は嫌で30%はOK。それってなんか危険な考えじゃないか?

 

SPXLのことは危険に思えても、S&P500のことはそう思わない。これっておかしくないか? 

 

 

「だってブロガーの人たちが皆安心だって言うから」

 

「だって20年、30年経てば絶対に上がる『らしい』から」

 

 

僕は気付いた。僕自身、ちょっと気楽に考え過ぎていたと。もっと目の前のリスクを直視すべきだと思い直した。リスクを負うのは賢いブロガーさんたちじゃない。僕自身なのだと。

 

その上で僕は長期投資を選ぶ。リスクは僕自身が負う。どれだけ一時的に下落しようとも20年、30年とバイ&ホールドを続ける覚悟を今一度した。

 

だからこそ。S&P500に投資できると判断したのなら、それにレバレッジをかけて投資をすることも何らおかしい判断ではないとやはり思う。よってSPXLも投資先として十分だと今は考えている。

 

長期保有すれば見かけ上のリスクは大きくなる一方で、真のリターンはほぼ確実に大きくなる。それは非常に魅力的で、投資家として無視することはできない。

 

 

SPXLの特性まとめ

 

 

  • S&P500の動きを上にも下にも派手にするETF
  • 値段がゼロになることはない(後述の繰り上げ償還のリスク有り)
  • ETFという商品の特性上、FXのように追証が発生することはない

 

 

さて、あなたはどうする? S&P500をそのまま続けるのは多分正解だろう。だけどSPXLのような『優良ETFにレバレッジをかける』ETFもまた正解だと僕は思う。

 

気分が盛り上がってきたところで。さて、ここで少し水を差そう。

 

 

 

繰り上げ償還という逃れられないリスク

ここまで来たら「SPXLに投資するしかねぇ!」なんて気になってしまっている人も居るかもしれない。だがこのファンドに投資するうえで覚悟すべきは、資産が一時的に大きく目減りすることではない。

 

 

ファンドがつぶれること

 

 

これだ。リスクをボラティリティ―と言い切る人でも、これだけは考えなくてはならない。仮に97%の含み損を抱えたとして、ファンドを買っている投資家全員がその状況に耐えることが出来るだろうか。

 

 

絶対に否だ。

 

 

絶対に多くの投資家は恐れをなして逃げ出す。それが人間心理というものだ。むしろ逃げ出さない方がイカレているのかもしれない。

 

投資家が逃げれば純資産は減る。その行きつく先はファンドの倒産だ。こうなってしまってはお手上げ。いくら30年後に上がると信じて保有し続けようとしても、ファンドが無くなればもう打つ手はない。これがSPXLに投資するうえでの真のリスクだろう。

 

滅茶苦茶な下落すらものともしない。そんなイカレた投資家が沢山いることに賭ける。このリスクを許容できるか。

 

 

SPXLのファンドの純資産額

基本的に純資産は『増え続けている』方が安全である。逆に減り続けているならそれは人気が無くなっていく証拠なので敬遠するべき。

 

先ほどのブルームバーグから引用した画像には純資産額も載っている。では現在のSPXLの純資産額は如何程であろうか。

 

 

  • 1.107(十億USD)

 

 

現在のレートで1250億円ほど。一方VOOは

 

 

  • 99.155(十億USD)

 

 

現在のレートで11.2兆円ほど。VOOは大人気商品だとわかる一方で、やはり3倍ものレバレッジをかけたがる人間は少ないことが分かる。

 

長期保有を可能にし、最終的にリターンが保証されるか否か、という点ではこの繰り上げ償還がリスクだと思われる。このリスクを許容できないのであればSPXLには投資すべきではない。

 

 

結局どういう人向けの商品か?

 

 

  • 米国経済が今後30年間において成長し続けると100%確信している人
  • リーマンショック級の暴落が起きた時、90%を超える下落に直面する可能性がある。それをボラティリティ―と割り切れる人

 

 

これらを満たしたうえで、『保有中に繰り上げ償還されることがない』が条件。こればかりは個人投資家には読めない。ここが気になるならSPXLには投資すべきではない。

 

さらに現実的な話をすると、それでもSPXLに投資をするのであれば、フルインベストメントはお勧めできない。

 

さすがにブレ幅が大きすぎる。よってポートフォリオの大部分をVOOなどに充てて、10%程度をSPXLに割り当てるというのがいいだろう。それでもリターンはしっかりと増す。

 

またリターンを最大化するために、いっそのことリーマンショックとまではいかないまでも何らかの暴落を待ち、その時だけ大量に購入するというのもありだ。

 

 

終わりに

色々書いたが、結局のところ結果はその時になってみないと誰にもわからない。だからこそ最善を尽くすべき。人事を尽くして天命を待つ。あなたの貴重な20年をささげるのだから、少しくらい真剣に考えた方が絶対にいい結果になる。

 

長期投資はプラスサムゲーム。皆で幸せになろうぜ。

 

 

 

 ではでは